受け取り満面の笑み

「もう、夫 帰宅遅いよ!馬鹿!」開口第一声が罵声。それもとびきり大きな、町中へ聴こえ渡るか如く。

「すまぬ。でもほれ。鯛焼き君アイスにチョコ、フィギュアからストラップまで、多数購入してきたぞ」ギッシリ詰まった、紙袋ごと渡す。

女房は受け取り、満面の笑み浮かべ「おぉ!これが今話題の…、ようやった!功績を認め、夫 帰宅遅いも特別今回だけは免除しよう」

「有難う、お姫様」はぁ此奴、買い物行かせ、そして御覧の有様とは。笑顔見れた事は、大収穫だけど。我々二人、正式に教会で契り結び、神の前で誓約を交わし早数年。

依然、溝を埋めれずに居る。何故か?決まりきった事。夫 帰宅遅い、奴が口癖。でもこれは実際誤りだ。俺は息抜きの外出含め、伝えた通り、定時に戻る。几帳面な性格ゆえ。

でも彼女は、夫 帰宅遅いと申す。原因は申した通り奴だ。時計を見ず、感覚的に言う。嗚呼、正直こいつが気にせぬよう装ってるが、実は苦痛。

馬鹿馬鹿しい。誰だろうと、そう感じる筈だ。もはや…離婚すべきか。